この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

アスラン&アルシラ

星降る夜に

シロー/アスラン > (深夜の帝國領、尊華守山。守山の名の通り、この土地には天を衝く大規模な活火山が屹立しており、守山の民草の多くはこの火山を信仰の対象としていた。現在ではケシェトの滝と呼ばれる名所も存在し、未だ活動はしているものの噴火の予兆は見られないことから、多くの観光客や信仰深い人々が訪れる守山の麓に、一人の男が立ち寄っていた。)「思った通り、だな。⋯⋯もう少し登れば更に見えるかもしれない。」((火山灰が舞うような事も今は無く、王国や帝都より街明かりも少ないことから多くの星々が瞬く夜空を見上げ、アスランは満足気に瞳を細めた。もう少し登ってから見た方がいいが⋯⋯そうは思うものの。壮大な星空を前にして観測せずには居られないのが、星詠みの、天文学を修める者の性であった。   (7/7 21:26:22)
シロー/アスラン > 背中に掛けていた巾着を地面にゆっくり下ろし広げると、中から数個に分解された望遠鏡の部品を取り出して器用に組み立てていく。夏場に一際明るく輝く星の一つであるベガを目印にすると、片膝を立てた状態でしゃがんでレンズを覗き込み。ダイヤルを弄りながらピントを合わせていた。)「⋯⋯⋯⋯近いな。」((それは星を映すレンズの倍率の話ではなく、年に一度訪れる、夏の夜の特別な日を指した独り言であった。   (7/7 21:26:23)


カフカ/アルシラ > 「(星降る夜に。この言葉の続きは人それぞれである。彼女の場合は例外なく――――)ここが……。(何万光年も先の、それでも光を放ち続ける幾千もの星々が彩る黝い青天を見上げて思わず声が落ちる。ああ、ここを目指して何日経っただろう。彼女の巡礼の大きな節目となるかもしれない、祈りを捧げるべくして向かった先は尊華帝國が誇る尊華守山。この辺りでは火山信仰が主であり、その噂を前々から聴いていた彼女は大いに興味があった故に星が輝くこの夜は、彼女が祈るにも丁度よいではないか。麓まで歩いてきて、望遠鏡を組み立てようとしている貴方をすぐに彼女は見つけるだろう)こんばんは。……天体観測ですか?(なるほど、これほどの星天ならば観測者がいても納得だ。彼女は好奇心から貴方に挨拶をするだろう。白い修道服に金の十字架のピアス。そして右手には装飾が施された金色の聖槍。ひと目見れば神職に就いているものだと言うことは一目瞭然のことだろう。そしてもう一つ理由として――彼女もまたどこか薄々感じたのかもしれない。この異国の地で、貴方に同種の血が通っている事を……)」   (7/7 21:43:18)


シロー/アスラン > 「⋯⋯ああ。⋯⋯」((星がくっきりと見えるよう、ピントを合わせていざ観測、と言った所で掛けられた声に、無言でレンズから瞳を離し、声の主を見ようと首を曲げた。邪魔をされたから鬱陶しかった、という気持ちがあった訳では無いが、沈黙の後に短く呟かれた肯定の言葉、そして貴女を観察するように突き刺した視線もあって、無言の圧力に近いものを感じるかもしれない。月明かりと星空の明かりだけが頼りの空の下でアスランの表情をしっかり読み取れていたら、であるが。⋯⋯実際の所、本当に容姿から何かを読み取ろうと観察していただけに過ぎないのだが。広げられた巾着から何やら折り畳まれた地図を取り出しつつ、しゃがんだ状態で漸く言葉を続けた。)   (7/7 22:00:15)
シロー/アスラン > 「⋯⋯あんたは聖職者、みたいだな。⋯⋯ケシェトの滝なら、この先の峠を東に曲がって進めば、ある筈だ。⋯⋯夜では虹は見えないだろうが。」((どうやら聖職者らしい服装を見て、守山の信仰が集まる名所であるケシェトの滝を見に来たのだと予想したらしく。地図を取り出したのは場所を確認する為だったようで、地図に視線を落としてから山の方向を親指で指差しつつ、最後の一言には多めに息を含ませて方を竦ませた。滝に掛かる虹が名物なのに、夜に来る理由が自分には分からないが為であった。   (7/7 22:00:16)


カフカ/アルシラ > 「(月明かりの優しく淡い光が照らし、そして暗闇でも森羅万象を見る彼女の翠の双眸は貴方の輪郭と表情を捉えるには十分だった。第一印象からは感情を捉えづらい貴方の表情や口数の少ない態度から気が弱い人は萎縮してしまうかもしれない。けれど彼女は、貴方がこちらを観察するようにして見ている事になんとなく勘付いていた。それなりに目立つといえば目立つ格好を彼女はしているので、仕方のない事だ、と割り切っていることだろう)ええ、私は各国各地で宣教師として活動しています。(美しく透き通った声。身の上を明かして、あくまで見に来たのは虹では無いと彼女は言うだろう)ケシェトの滝にもいつか参りたいところですが……私は星に祈りを捧げるべくして、この地に参りました。(落ち着き、抑揚のついた話し方から、彼女が"人に何かを伝える事"に長けている人物だと言うことが分かるだろうか。彼女の言葉はすんなりと頭の中に入ってくるだろう)」   (7/7 22:20:15)
カフカ/アルシラ > 「ところで、貴方もこの辺りの人とは違うようですね。(なんとなく、だろうか。この国の人々とは少し違う服装とエキゾチックな雰囲気を彼女は感じ取ったのだろう、純粋な疑問を貴方に投げかけるだろう。旅団の存在をヨズア人の彼女も少なからず知っている筈だ)」   (7/7 22:20:23)


シロー/アスラン > 「⋯宣教師⋯⋯。ふん」((予想とは少し違ったもののの。女の口から飛び出した生業を耳にして不思議と納得してしまった。人を外面だけで判断するのは最も自分の嫌いなことの一つであるし、会ったばかりの自分にはまだ目の前の女の内面どころか、言葉が真実かどうかすらも読み解けない状況だが。少なくとも容姿と、落ち着いて物語を読み聞かせるような口調は確かに、人に教えを説く〝宣教師〟らしかった。そういう面では言葉を識る者である自分達魔術師と宣教師という職業は似ている気がする。もしかすれば字を持っている可能性すらもあった。だが星神を深く信仰する自分には余計なお世話であるし、このまま話していれば確実に宣教師としての仕事を全うされるだけだろう。想像しただけでうんざりとしてしまって、口元を歪め。さっさと望遠鏡を片して登ってしまおうと考えたアスランだったが。女の口から続いた言葉に望遠鏡に伸ばしていた腕をぴたりと止めて、再びしゃがんだまま貴女に視線をやり見詰めた。)   (7/7 22:35:38)
シロー/アスラン > 「星に⋯⋯祈りを。⋯⋯⋯⋯へえ、あんた、星を信仰しているのか。⋯俺もだ。⋯守山は星が良く見えて、良い。」((多神教か一神教かは分からないが、星に興味を持ってくれる事は少し嬉しいと感じたし、何より興味を持つことが出来た。短い言葉ばかり放っていたアスランは初めて饒舌に言葉を続け、首を曲げて空を見上げた後に、見てみるか、と言わんばかりに望遠鏡から体をずらした。   (7/7 22:35:40)


カフカ/アルシラ > 「あゝ……これは天啓がもたらした巡り合わせでしょうか。(彼女はそう呟くと、天を仰いで…青白い光を放つアルタイルに目をやるだろう)私の他にも星に信仰を捧げている方がいるとは思っていましたが、実際に出会ったのは初めてです。(彼女は柔らかな微笑をたたえて、先ほどとは打って変わって口数が少し増えた貴方に気づいた。なるほど、やはり信仰は人の心を大きく動かすのだ。神の教えは正しい。疑う余地さえ無いことだが、こうした出来事を目の当たりにするたびに彼女はこう思うのだ)私が各国を回っているのは宣教のみが目的ではありません。こうして聖地とされる場所の巡礼もまた、重要な使命。私は他の教えを否定しません。(他の宗教の聖地に赴いて祈りを捧げる他教徒、なんてあまりにも信じ難い事実を、彼女は一刀両断するように一言。そして微笑を浮かべたまま話を続ける)どの地に赴いても、等しく天上では星が姿を現します。故にこの地もまた、神が示す聖地。(そして貴方に視線を戻すと、少し一つ息をついて、)申し遅れました、私はアルシラと申します。ヨズアの言葉で"シリウス"を意味します。(夜に姿を表す、天上で最も光を放つ、我が星の名を、名乗ろうか)」   (7/7 22:50:13)


シロー/アスラン > (アルシラの言葉をアスランは黙って聞いていた。いや、自然と黙ってしまっていた。時折間が空くアルシラの話し方は、割って入ろうと思えば入れる程だったが、心の内にするり入り込んでくるような聞きやすい声色は本人も気付かない内に、『邪魔しないようにしよう』とアスランの口を噤ませていた。アスランは貴女を深く心に印象付けた。宣教師というのは押し付けがましい存在だとばかり思っていたし、今までに出会った彼女の同業者達は揃いも揃って自分の信仰を広める為に他を蔑ろにする様な口ぶりをしていた。人を輝きとして見るアスランは、初めて出会ったタイプの宣教師である貴女の中に、星を感じた。それも一等星に近しいものを。⋯⋯⋯⋯そして貴女の名を聞いて深く納得するのだった。)「⋯⋯ふっ、シリウス⋯⋯アルシラか。あんたに相応しい名前だと思う。───アスランだ。」   (7/7 23:12:58)
シロー/アスラン > ((同じヨズア人だ、意味は言わなくても分かるだろう、きっと。望遠鏡をさっさと片付けてしまうと、手早く巾着へと仕舞い込み。最初と同じように肩に背負って立ち上がってから夜空を一瞥した。)「────。」((遥か遠くを見据えるように細められた三白眼は、真面目な色を灯し。黒目の海に一面の星空を反射させながら、ぽつり、ぽつりと口元を動かした。)「⋯⋯完成されつつある精神は汝を必ず高みへと導くだろう。⋯汝の星回りに祝福を。」((簡単な星詠みをアルシラに送り、瞳を伏せた。その後、そのまま踵を返して山の奥へとアスランは消えていくだろう。   (7/7 23:13:03)


カフカ/アルシラ > 「――アスラン、ですね。覚えておきましょう。(暁、星が別の国に姿を表す予兆。その意味を彼女もすぐさま理解する。そしてぴったりだ、と納得したように目を薄めるだろう。宣教師は自らが教えを広めることのみが生業であるが、彼女は宣教師でありながら人類の先生であり――そして魔術師だ。言葉の意味をきっと誰よりも理解している彼女は、望遠鏡を片付けた後に、祝福を彼女に送った貴方にゆっくりとした動きで一礼する。そして踵を返して帰ろうとするあなたの背中に"言葉を授けよう")―――天に輝く大三角(=Trinity)は汝の進む道に"父"(=God)と"子"(=ここではアルシラ自身を意味する)と"霊"(=Spirit)の加護を授けることでしょう。(夏の第三角と掛けて、三位一体の教えを説いた後に彼女は両手を合わせて【さようなら、またどこかで】この意は言わずとも届いただろう)あゝ……星降る夜がもたらした出会いに感謝を。(天上にはアルタイル、ベガ、デネブ……三連星の描くアステリズム。彼女はその真下で祈りを捧げる―――――)」〆   (7/7 23:29:51)