この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

董&火津彌

ゑゐりあん/董 > (例の一件から一夜明けた。別々の部屋で寝ることとなった火津彌と董だったが、董の部屋に彼女の姿はなかった。一晩一人で泣き、決心し、そして髪を切り落とした彼女の姿はどこにもなかった。かといって、火津彌の寝室にもいるわけではない。男にフラれたからと言って夜這いをかけるほど董の度胸は座ってはいないし、そもそも夜這いという行為すら知っているかどうか危うい彼女である。無論、火津彌の寝室にも彼女の姿はなかった。…が、火津彌が起きるよりも早く。日が昇る時刻と同じ時刻に、彼の部屋に一通の手紙が届けられていた。扉の隙間から入れられたのであろう。ドアの前にポツンと落ちているその手紙には、やけに几帳面な字でこのように書かれていた)   (11/11 22:49:52)
ゑゐりあん/董 > 「親愛なる火津彌少将殿。伝えたいことがあります。もしよければ、噴水広場にお越しいただければ幸いです。  董」   (11/11 22:50:06)
ゑゐりあん/董 > (それは手紙と呼ぶにはあまりにも短い代物ではあったが、それでもその一字一句から彼女の底知れぬ決意がにわかに漏れ出していた)…まだかな(そして当の本人はと言うと、待ち合わせ場所に指定した噴水広場にいた。そんな噴水広場の象徴ともいえる噴水の前で、彼女は水面をのぞき込んでいた)むぅ…変じゃないかな…(水面に映る自分の姿を見つつ、髪の毛を触る董。過去との決別の意を込めて長い髪を切り落とした彼女は、今までの凛々しさは多少は残りつつも、それでも随分と年相応の少女のような姿となっていた。ばっさりと愛刀で切り落とした髪。その意味を、今こそ彼に伝えるのだ。そう言う思いで、彼女は今この場に立っていた)   (11/11 22:50:11)


マリア/火津彌 > (件の一夜を超え、火津彌はようやく眠れぬ夜を明かした。朝になれば董と何事もなかったかのように挨拶して、それじゃあ帝国でと言ってさらりと別れよう。変に避けるくらいなら、そうして普通に接してやるほうが彼女にとっても良いに違いないから。……そう思っていたのに、宿には董の姿はなかった。)「……」(思い詰めて……とか、そんな事はさすがにないだろうか?ふと目を伏せると、メモ書きが目に入った。)   (11/11 23:25:09)
マリア/火津彌 > 「……はぁ。」(ため息をついて片手を額に当てた。…昨日の今日でこう来るとは思っていなかった。どういうつもりなのか…本当に測りかねる。)「様子だけ見に行くか……。」(それこそ想像が及ばないようなとんでもないことをやらかそうとしている可能性も無くはないし、遠くから様子だけでも伺ってみよう。自分とて無視などしたい訳では無いし、様子を見て、それで…どうするか決めよう。無事そうなら、帰ってしまった方がいいかもしれないが。……そんな事を思いながら、噴水広場へ到着した。)「……いつから待っとったんや、あいつ…あっ、髪……?あー…………糸依のやつになんと言われるかな、あぁ……。」(木の影に隠れながら、まだこっそりと様子を伺うに留めて。)   (11/11 23:25:24)


ゑゐりあん/董 > …遅いなぁ…(火津彌が木陰に隠れこちらを伺い始めてからおよそ五分後。董は少々不機嫌そうな顔をして噴水の縁に座った。これでもかなりの時間は待っている。ここまで待っても来ないという事は、もしかすれば彼はあの手紙に気付いていないか、あるいは…)…無視…されちゃったのかな…(それはあり得る話である。おそらく彼のことだ。自分が何もアクションを起こさなければ、何事もなかったかのように自分に接し、そのまま自分を帝國へと送り返したことだろう。董はその可能性を見越して手紙という先手を打ったのだ。しかし、もしかすればこれは悪手であったかもしれない。彼はあの手紙を読んで逆に自分から離れようと考えたのかもしれない。そう考えると、段々と不安になってきた。昨日だってそうだ。自分の余計な行動(筋トレ)のせいで、彼と更に近づけるはずだった機会を逃し、あろうことか彼との距離がむしろ遠くなってしまう結果となってしまったのだ。今回の手紙も、その“余計な行動”だったのではないだろうか?)   (11/11 23:36:16)
ゑゐりあん/董 > …違う(ギュッと董は握りこぶしを作り立ち上がる)そんなうじうじするのはやめるって、昨日決めたじゃん。来ないなら、こっちから行けばいいんだ。私の想いをあいつにぶつけないと、私はもう一回スタートラインに立つことすらできない。…それどころか、立つ資格すらないよ(そう言うと董は歩き出した。一度宿に戻って彼がまだ寝ているかどうか確かめようとしたのだ。…それが、運命のいたずらだったのかは知らないが、董は火津彌の方向へと歩いて行ったのだ)…私は…私の想いを…ッ(そう呟きながら歩いていた董。そこで、やはりこれも神のいたずらか、何気なく目線を近くにあった木へやると、何やら見覚えのある姿があった)…火津彌(そう。火津彌である)   (11/11 23:36:19)


マリア/火津彌 > 「……あ。」(董と目が合い、火津彌は困ったように目を逸らしたが、やがて観念して向き直る。狐面は、していない。)「……誰や思たわ」(苦笑しつつ、手紙を持ったほうの片手で自らの肩のあたり、ちょうどあなたならば髪がつくくらいのところを指して、切るように手首を振った。)「阿呆やなあ。……時間の指定もせんと。」(と言いながら、ぺらっとメモ書きの表面をあなたに見せる。そして、その手を下ろして木に寄りかかりながら腕を組んだ。こざっぱりしたあなたの頭は、前よりむしろ火津彌にとって好ましく思えた。が、わざわざそんなことを言うつもりは無い。それが彼女を振り回すだけの残酷な発言だと、何よりも解っているからだ。)   (11/11 23:50:03)
マリア/火津彌 > 「……」(何か小言じみたことを言おうと口を開くも言葉にならずに、ゆるゆると視線を地面に移した。呼んだ理由など解りきっている……昨日の事が納得いかなかったのだろう。彼女が自分の気持ちに踏ん切りを付けるためだろうが、感情をぶつけてスッキリとする為だろうが、黙って聞いてやるくらいのことはしてやっても罰は当たらないかもしれない。いっそ、初めてだったのに、だとか、女に恥をかかせて…だとかなじってくれたら楽なものを。……そういうやつではないだろうから、気が重くてならなかった。何を言われても、こいつの望む答えは出せないだろうから。)   (11/11 23:50:16)


ゑゐりあん/董 > …嘘ばっか(いる場所や、その態度からきっと自分のことを見ていたのだろう。どのくらい見ていたかは知らないが、それでも彼が意地悪な人間であることには間違いない)来たならちゃんと来てほしかったな(なんて嘆息していると、時間指定をすればよかった、なんて言われて思わず動きが止まる)そ…それはぁ…(完全なる失念である。彼女は己の伝えたいことを書きたいがために、時間指定をすっかりと忘れていたのだ)ほ…ほら!あれだよ!いつ起きるかわかんないからっていう私の親切で!(なんてもっともらしいことを言って笑いながら誤魔化すが、次第にその笑いは薄れていき、最後は真顔になる。出だしはくじいたかもしれないが、でも彼はここに来てくれたのだ。では、自分も彼に伝えねばならない)…ねぇ火津彌。できれば、仮面を外してほしいけど、厭ならそのまま聞いてほしいな   (11/12 00:12:18)
ゑゐりあん/董 > (董は一呼吸おいて、彼の目をじっと見つめて話し出した)昨日の夜さ、私が言ったこと覚えてるかな。アンタに見合う女になるから…ってさ(思い返すのは昨日の夜。自分のせいで全てが崩れ去りかけたあの夜。何故だか涙を流す彼に抱きしめられながら、泣きじゃくりながら宣言したあの言葉を董は繰り返す)…あの時は二人ともいっぱいいっぱいだったからさ。…だから、気持ちがひと段落した今、もう一回、言いたいんだ(そう言って董は大きく深呼吸をした。怖い。昨日の夜から、今に至るまで、彼に関連するすべての動作が恐ろしい。何がきっかけで彼との関係が崩れるかわからない。一寸先は闇とはよく言ったものである。まさにその通りだ。なんの道しるべもない暗闇の中を歩いている。もし、踏み出した先が全てを終わらせてしまう穴かもしれないと考えると、足がすくんでしまう。実際、董の手は小刻みに震えていた。怖い。やだ。逃げ出したい)   (11/12 00:12:35)
ゑゐりあん/董 > 私、昨日考えたんだ(違う)アンタが私を恋の対象として見てないことを知って(私は変わったんだ)…つまりは、アンタにフラれて初めて気づいたんだ(もう逃げない)私は、本気でアンタが好きだったんだって(心に決めたじゃないか)私…馬鹿だからさ、フラれた後でも好きな場合どうするかわかんなくて。結局、こんな結論になっちゃったけどさ(どんなに先が見えなくても)…受け止めてくれなくてもいい(どんなに道が不安定でも)失望してくれたっていい(ただ我武者羅に突き進む)だから、聞いてほしいんだ(それが伊丹 響希だろう?)私、伊丹 響希は、月光が好きになるような女になる為に努力することを決めました。これから努力する。いっぱい努力する。アンタが私を“女”として見てくれるようになるまで頑張る。そうしてもう一度、私はアンタに告白する。好きです。結婚してくださいって。だから…だからその時まで   (11/12 00:12:47)
ゑゐりあん/董 > 私と一緒に居てください   (11/12 00:13:01)
ゑゐりあん/董 > (董ははっきりと、心の底からそう宣言した。そして最後に頭を深々と下げた。ずっと頭を下げたまま、彼女は動かなかった。唇は震え、手はやはり小刻みに震えている。どんな返事が返ってくるかわからなくて、彼女は恐怖していた。でも、これでいいんだ。自分の想いをまっすぐに伝えることができたんだから。これで、いいんだ)   (11/12 00:13:13)


マリア/火津彌 > 「………。」(彼女が話し出すのを、火津彌は黙って聞いていた。『覚えてるかな』と言われても、『聞いて欲しいんだ』と言われても、 無愛想なくらい、相槌もなく沈黙でその先を促した。ただ、足のつま先は彼女に向けたまま、帰る様子はない。何か言おうと口をひらきかけたのは、彼女が全て話し終わったようだと感じてからようやくの事だった。)「そうか。」(答えは、短い一言だった。ようするに最後のその一言、『一緒に居てください』……が言いたかったのだろう。昨晩自分が放った言葉が思い出される。『……一緒に居てやる。お前が一人前になるまで。お前が一人前の軍人に、一人前の女になるまで。』確かにそう言った。……だが、これではわざわざもう一度その言葉を撤回するチャンスを与えてくれているようなものではないか。改めてそう問われてしまうと、彼女の気持ちを知った上で安易に『わかった』と言う事は出来なくなる。自分は彼女が、本当にふさわしい相手を見つけるまでと思えばこそ昨晩のような答えが出せたのであって、自分を口説き落としてみろだなどと思い上がった事を考える程莫迦にはなれない。)   (11/12 16:16:30)
マリア/火津彌 > もう一度、もう一度と言われようが、何も始まってすらいないまま終わったのだから。……好きにしろと言うのもおかしな話だ。だが、嫌いになった訳では無いから邪険にもできない。そうか、と言うのが精一杯だった。そして今の彼女もきっとこれが精一杯で、すぐに気持ちは切り替えられないのだろう。聞いてやる事で気持ちの整理の手伝いが出来るなら────と。………出来るならば、都合のいい解釈をしたかった。ひどく残酷で、不誠実であろうとも。)「……結婚か。」(火津彌の気持ちは今、複雑に分離している。ここまで食いさがられて全く絆されない程の鉄仮面ではない、という気持ち、それから、彼女の貴重な娘時代を自分などにかまけさせている場合ではない、という気持ち。どちらも紛れもなく『情』ではあった。纏まらないなりに、答えを出そうと息を吐く。)   (11/12 16:16:49)
マリア/火津彌 > 「……僕はお前に、鬼灯にしてやってもええと言うたな。……酔って言った言葉ではあるが、嘘ではなかった。順序立った恋愛を前提としないのであれば、僕は、お前でも構わないと思っとった」(身勝手な言葉だけれど、それもまた本心だった。)「今でも思っとる。……結婚、ただそれだけが、したいのであれば。……僕もお前も軍人や、三年前の戦時中であれば、いつ死ぬか解らない身の上を儚んで、いっそ本当に結婚してしまっても良かった。……夫婦になってから、ゆっくりお前と向き合うのも悪くないだろう。……ただ、昨晩のそれは、そういうものでは無かったやろ。僕とお前はあの夜重なる因果には無かった。それだけや。あの夜、僕がお前を抱いていたなら、僕とお前の間には遺恨が残っていたと思う。」(火津彌もまた、話しながら自らの気持ちを整理していた。言葉は苦しげに紡がれる。)   (11/12 16:17:10)
マリア/火津彌 > 「…………まぁ、………また戦争が始まるかどうか、どうせ、すぐにわかる。……戦争になったら…ほんまに結婚してしまうか?」(肩を竦めて、苦笑しながらあなたを見つめ返した。答えは……答えは、聞いてはいけない気がする。聞いたら、きっと引き返せない。火津彌はあなたの言葉を遮るように踵を返し、背を向けてその場を後にした。尊華の為に、そして、あなたのために……心から平和を祈りながら。)〆   (11/12 16:18:52)